doctorKK’s diary

小児科医として勤務しています。アレルギー関連のことや、医師の副業などについて記事を書いていきます。

それって本当に食物アレルギー??

小児科医として勤務しているdoctorkkと申します。
今回は食物アレルギーに関しての記事です。


一般的に離乳食については生後5~6か月から始めることが推奨されています。
私としても離乳食をそれぐらいの時期から始めることを推奨しており、あまり遅らせないように指導しています。


離乳食を始めてから保護者の方が悩まれる問題として多いのが、『食物アレルギー』についてです。


私は小児アレルギーを専門として診療を行っており、日頃から食物アレルギー疑いの患者さんを数多く見ています。
その中でも離乳食を始めたあたりから食物アレルギーに悩まれる方がとても多いと感じています。

食物アレルギーがある患者さんは、一般的にはアレルギーの原因となる食材を食べたあと数分~数時間程度で症状が出現してきます。
症状としては皮膚症状、呼吸器症状、消化器症状、循環器症状、神経症状など多岐に渡ります。


よくある質問として
「卵を触った手で顔をこすったら顔が赤くなったから、卵アレルギーですよね?」
「味噌汁を口からこぼしたら口の周りが赤くなったんですけど、大豆のアレルギーですか?」


などといった質問です。
一見すると食物アレルギーのようにも見えますが、これらは食物アレルギーではない可能性が高いです。

え?じゃあ何なの?

といいますと、これらの症状は『接触性皮膚炎』である可能性が高いです。

もちろん元々卵アレルギーや大豆アレルギーがある子の場合には上記のような症状が出やすいです。

しかし、食物アレルギーの場合には、アレルギーの原因となる食材を摂取することによって症状が出現してしまう場合のことを言い、皮膚に食材が付着した結果として、その箇所が赤くなってしまう場合には食物アレルギーではないことが多々あります。

上記のような訴えがあった患者さんでも、実際に食べてみた場合には症状が出ないことがあります。

「じゃあ皮膚が赤くなっただけなら食物アレルギーじゃないのか」
というと、そうではありません。

アレルギー診療の難しいところですが、実際に食材を食べて、アレルギー症状として皮膚の症状が出る患者さんは非常に多いです。

混乱させてしまったらすいません。


今回の記事のポイントとしては、
・食材がついた手で触った箇所が赤くなった場合は、食物アレルギーではない可能性がある
・皮膚が赤くなった食材でも実際に食材を食べたら問題ない場合が数多くある

といった点です。

食物アレルギーではないのに食物アレルギーとして除去食をされている方が多くいるためこのような記事を書かせてもらいました。

ただ、これらは一般的な話になるので、最終的にはかかりつけの先生へ相談してみてください。

今後もアレルギーに関する記事を書いていきます。